看護師が退職した場合、条件を満たしていれば再就職手当がもらえます。
もらえるならいくらなのか、もらわない方がいい場合などを解説してきます。
失業保険受給中に再就職が決まり、給付期間が残っている場合にもらえる手当です。
つまり、失業保険受給中に就職したら残りがもらえなくて損するということがないという制度です。
再就職手当とは?
失業保険受給中に再就職が決まり、給付期間が残っている場合にもらえる手当です。
雇用保険の失業等給付の就職促進給付のうち「就業促進手当」の1つが再就職手当です。
就業促進手当・・・再就職手当、就業促進定着手当、就業手当など
もらうためには条件があり、給付期間が3分の1以上残っている必要があります。
再就職手当がもらえる条件
再就職手当にはもらえる条件があり、以下を全て満たす必要があります。
ややこしい部分を解説していきます。
① 受給手続き後、7日間の待期期間(※)満了後に就職、又は事業を開始したこと。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000970940.pdf
② 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付
日数の3分の1以上あること。
③ 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業所と
資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。
④ 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方
は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまた
は職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
⑤ 1年を超えて勤務することが確実であること。
(生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生のように、1年以下の雇用期
間を定め雇用契約の更新にあたって一定の目標達成が条件付けられている場合、又
は派遣就業で雇用期間が定められ、雇用契約の更新が見込まれない場合にはこの要
件に該当しません。)
⑥ 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。
⑦ 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたこ
とがないこと。(事業開始に係る再就職手当も含みます。)
⑧ 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたもので
ないこと。
⑨ 再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと。
①受給手続き後、7日間の待期期間ってな?
失業保険の受給の手続き後に7日間の待期期間があります。
受給資格決定日から失業の状態にあった日が通算して7日間経過するまでは基本手当の支給を受けることができません。 この期間のことを「待期」といいます。
引用元:https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-hellowork/content/contents/000901308.pdf
④ 給付制限って何?
給付制限とは、前職を『会社都合退職』ではなく『自己都合退職』で退職した場合に失業保険を受給できない期間があることを言います。
会社を自己都合で退職した場合、雇用保険(基本手当)の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から2か月間雇用保険(基本手当)を受給できない期間があり、これを「給付制限」といいます。
Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
ちなみに退職する時に『会社都合退職』と『自己都合退職』では、失業保険の支給額にも差が出てしまうので、不当に『自己都合退職』にされていないかチェックした方がいいです。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
失業保険 最短支給日 | 3ヶ月7日後 | 7日後 |
失業保険 支給日数 | 90日〜150日 | 90日〜330日 |
失業保険 最大支給額 | 約118万円 | 約260万円 |
失業保険 給付制限 | あり | なし |
国民健康保険 | 通常納付 | 最長2年軽減 |
退職金 | 減給される可能性あり | あり |
履歴書の記載(転職時の評価) | 一身上の都合により退職 (回数が多いと影響あり) | 会社都合退職 |
再就職手当はいくらもらえる?
再就職手当をもらう場合、いくらもらえるのか気になりますよね。
以下の計算式で計算した結果が再就職手当の支給額になります。
1、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上
⇨所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額
2、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上
⇨所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額
※ただし、基本手当日額の上限は、6,190円(60歳以上65歳未満は5,004円)となります。(毎年8月1日以降に変更されることがあります。)
基本手当日額とは?
基本手当日額は、年齢・雇用保険の被保険者の期間・離職前6ヶ月間の賃金総額から算出されます。
具体的な金額が知りたい方は、以下の社労士事務所さんのサイトで早見表が見られます。
▶︎失業給付 基本手当日額・月額早見表(河社会保険労務士事務所)
再就職手当はいつもらえる?
再就職手当は、再就職(入社日)が決まり、ハローワーク(公共職業安定所)で手続きをしてから約1ヶ月後となります。
※混雑していると2ヶ月かかることもあります。
再就職手当の支給が確定すると、ハローワークから郵送で『再就職手当支給決定通知書』が届き、約1週間で振り込まれます。
申請期限に注意
再就職手当の申請は、原則再就職後1ヶ月以内に行う必要があります。
再就職が決まったら忘れないようにすぐに申請しましょう。
再就職手当をもらわない方がいい場合とは
再就職手当は支給条件に当てはまるならば基本的にはもらった方が得ですが、もらわない方がいい場合を解説していきます。
無理に条件に当てはめるより仕事の方が大事
再就職手当をもらうためにわざわざ支給条件に合わせる必要はありません。
再就職手当でもらえるお金よりも、就職後の給料の方や仕事内容の方が大切ですよね。
例①:やりたい仕事が1年未満の雇用で、給付の条件が1年以上継続勤務が必要なためもらわない
例②:再就職先の入社日が来月となるため、失業手当の支給残日数が3分の1以下となってしまうためもらわない
空白期間を作らずにすぐに就職したい
体調面が優れない場合には、退職して失業保険をもらうという選択をしてもいいかもしれませんが、空白期間となってしまうため、すぐに就職したい人もいますよね。
ハローワークを使って就職しない
看護師含め医療業界はハローワークを利用して就職先を探すよりも、転職サイトを使うのが主流です。
なぜかというと、ハローワークに掲載されている求人よりも転職サイトの求人の方が勤務条件がいい、転職サイトの方が便利という理由があります。
転職サイトに興味があるなら以下の記事をチェックしてみてくださいね。