「なぜあの人が…?」

優しい看護師さんほど辞めてしまって、気づけば性格の悪いお局さんばかり・・・。
なぜ、誰よりも患者さんを思いやり、同僚との協調性を大切にする優しい看護師が、最終的に職場を去る決断を下してしまうのでしょうか。
その背景には、看護師という職業の特性と、医療現場が抱える構造的な問題が深く関係しています。
なぜ?優しい看護師ほど辞めてしまう理由
なぜ優しい看護師ほど辞めてしまうのか。
もったいないと思う人も多いと思いますが、本人の性格だけでなく、職場に優しい人が辞めたくなる理由があるかもしれません。
理由を解説していきます。
共感力が高すぎる
優しい看護師は、患者さんの痛みや不安に深く共感し、その感情を自分のことのように感じ取ることができます。
これは看護師として非常に重要な資質である一方、常に患者さんの感情に触れることで、自身の心が激しく消耗してしまう原因にもなり得ます。
とくに急変が多い職場だと、感情移入の頻度も高くなり、辛くなってしまう人が多いようです。
共感力が高すぎる人は、命に関わらない現場で「寄り添う看護」をするのが得意と言われています。


気を遣いすぎてしまう
周りの人や、患者さんのために気を遣いすぎてしまい、ついつい頑張りすぎてしまうことも。
他人を優先しすぎて反動で心身に影響が出る人も多いのではないでしょうか。
プレッシャーに弱い
看護師の仕事は命に関わることが多いため、優しい人は医療ミスを恐れてプレッシャーを感じすぎてしまいがちです。
ミスが許されない仕事に全くプレッシャーを感じないのも困ってしまいますが、必要以上に過度に緊張した状態が続くと心身ともに疲弊してしまいます。
心が繊細すぎる
怒られる、インシデントを起こす恐怖、患者の死など、ストレスフルな看護師の仕事。
つらいことがあると泣いてしまうことが多い、心が繊細すぎる性格の人は精神的に疲労して辞めたくなってしまいやすいです。
普通の人ならすぐに慣れることも、なかなか慣れず時間がかかってしまうこともあります。
心が繊細すぎると急性期は合わないと言われていますが、慢性期や介護施設、訪問看護などでゆったり1人の患者さんと向き合うのが向いていると言われています。


ミスを気にしすぎる
誰にでもあるレベルのミスでも気にしすぎてしまいます。
煽られたり怒られたりすると余計に焦ってミスを連発してしまうことも。
頑張り屋・完璧主義で無理しすぎてしまう
優しい人ほど責任感が強く、何でも完璧にこなそうと無理しすぎてしまう傾向にあります。
看護への理想も高く、現実とのギャップに悩まされることも少なくありません。些細なミスも許せず、常に完璧なパフォーマンスを追求するため、自分自身を追い詰めてしまいます。
全て完璧にしようとせず、やるべきことはきちんとやったら、やらなくてもいいことに労力を使わないようにすることが大切です。
自責思考のしすぎ
優しい人は、たとえ理不尽な怒られ方をしても「自分も悪かったよね」と自分を責めてしまいがち。
また、:患者さんの状態が改善しない場合や、予後が思わしくない場合、「もっと何かできたのでは」という自責の念にかられたり、「自分の看護が足りなかったのでは」と深く悩んでしまったりする傾向があります。
反省が必要な状況もありますが、真面目に受け止める必要のないことで悩まないようにしましょう。
細かいことを気にしすぎてしまう
「あの人は同期の〇〇さんより私に厳しい」「なんで怒ってるんだろう。私のせい?」など細かいことを気にしすぎてしまいます。
相手の不機嫌にそんなに深い意味はなく、ただの好き嫌いだったり、気分屋なだけの可能性があるので考えすぎないようにしましょう。
仕事を頼まれた時に断れない
相手の顔色を気にして、無理なお願いも断れずに引き受けてしまうことが多いです。
その結果、面倒な仕事ばかり押し付けられがちです。
お願いを全部聞いていたらキリがありません。
無理なこと・嫌なことははっきりNOと言いましょう。
人間関係のトラブルに巻き込まれやすい
看護師の職場は、女性が多く、閉鎖的な空間になりがちです。
人間関係のトラブルが起こりやすく、優しい看護師はその板挟みになりやすい傾向があります。
また、いじめや派閥争い、陰口など、職場の人間関係の悪さに心を痛め、ストレスを感じやすいです。
プライバシーを侵害する看護師が苦手
プライバシーを無視して質問したり、勝手に人の情報を広める人が苦手。
特に「つらい」「辞めたい」「転職したい」は周りの看護師に相談しない方がいいです。
ネガティブな情報ほどすぐに広まります。
公開処刑するタイプのお局看護師が苦手
ミスした時に、みんなの前で公開処刑するタイプのお局看護師に過剰にストレスを感じてしまいやすいです。
そういう雰囲気だとみんながミスを隠すようになってしまうので、周りの人で協力してそうならないような環境作りが必要です。
意地悪な人のターゲットにされやすい
断れない・気を遣いすぎてしまう人は、優しい性格ゆえに、高圧的な態度を取る人・意地悪な人のターゲットにされやすい傾向にあります。
優しい看護師は、言い返してこないから「いじめやすい」ということなんですね。
パワハラ・セクハラの対象になりやすい
医師や患者からのパワハラ・セクハラの対象になりやすいと言われています。
優しいから、優しそうだから、反抗しないだろうと思われてしまいがちです。
本人もだんたんと言い返せるようになるかと思いますが、周囲もそういうことを許さない雰囲気を作っていきましょう。
燃え尽き症候群になりやすい
責任感が強く、仕事に真面目に取り組む優しい看護師は、プライベートの時間を犠牲にしてでも仕事に打ち込んでしまう傾向があります。
結果として、心身の疲労が蓄積し、燃え尽き症候群に陥るケースも少なくありません。
優しい看護師に必要なこと・対処法
優しい看護師さんがこれ以上傷つかないために、今日からできる具体的な対処法をご紹介します。
「NO」を言える勇気を持つ
優しいあなたは、誰かの期待に応えようと、無理をしてしまうことが多いかもしれません。
しかし、自分のキャパシティを超えて引き受けることは、最終的にあなた自身を苦しめます。
できないことは「できない」と伝える
例えば、「今、手が離せない」「今日は〇〇までしかできません」と具体的に伝えましょう。
完璧を目指しすぎない
完璧主義を手放し、60~70%で良いと割り切る勇気を持ちましょう。
自分の心と体の声を聞く
「疲れた」「もう無理」と感じたら、素直にそれを認め、休息を取ることを優先しましょう。
頼れる人を見つける・相談する
一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することは、心の負担を軽減する上で非常に重要です。
信頼できる同僚や先輩
職場で話せる人がいれば、まずはその人に相談してみましょう。
同じ悩みを持つ仲間が見つかるかもしれません。
ただし、職場だと話が広まる可能性もあるため、まずは職場外の方が安全かもしれません。
友人や家族
職場とは関係のない人に話を聞いてもらうことで、客観的な意見や精神的な支えが得られます。
メンタルヘルス専門家
ストレスが溜まりすぎていると感じたら、躊躇せずカウンセリングなどの専門機関を利用しましょう。
プライベートの時間を確保する
仕事とプライベートの区別をつけ、意識的に休息やリフレッシュの時間を設けることが、心身の健康維持には不可欠です。
退勤後は仕事モードをオフ
職場のことを考えない時間を作りましょう。
趣味や好きなことに没頭する
読書、映画鑑賞、運動など、心から楽しめる時間を作り、気分転換を図りましょう。
質の良い睡眠を取る
疲労回復のためには、十分な睡眠時間が欠かせません。
自分を褒める習慣をつける
優しい人は、他者には優しく接することができても、自分自身には厳しくなりがちです。
日々の小さな達成感にも目を向け、自分自身を肯定する習慣をつけましょう。
今日の良かったことを書き出す
どんな小さなことでも、今日できたことや良かったことをノートに書き出してみましょう。
「よく頑張ったね」と自分に声をかける
意識的に自分を労い、褒める言葉をかけましょう。
他人と比べない
あなたのペースで、あなたの「優しい看護」を大切にしてください。
職場の優しい看護師が辞めないようにするにはどうしたらいい?
寄り添う看護が得意な優しい看護師さん。必要なのに辞めてしまっては困りますよね。
ストレス過多になってないか気にかけてあげる
辞める人は、急に辞めたり、相談することなく黙って辞めてしまうことも。
無理しすぎてないか、気にかけてあげると働きやすくなるでしょう。
平等になるように気を配る
優しい人は仕事を頼まれやすく、断るのも苦手な人が多い傾向にあります。
仕事が1人に偏ってないか、状況によってキャパオーバーになってないか気を配ることで、断れない人に極端に負担が重なることを避けられるでしょう。
優しい人が働きやすい環境を作る
優しい人が辞めやすい環境は、将来的に優しくない人ばかりになってしまいます。
優しくない人ばかりの環境では、新しく優しい人が入ってきても辞めやすくなってしまうため、優しい人が損をしない環境作りが大切です。
優しい性格は強みになる!看護師の仕事に活かすことができる
「優しい看護師」は看護師に向いてないのではと思ってしまうかもしれませんが、諦める必要はありません。
「優しい」「繊細」は強みにもなる特徴です。環境次第では、得意を活かせるでしょう。
人の気持ちがわかる
人の気持ちがわかるからこそ、思いやりであふれる看護ができます。
些細な表情の変化などから相手のことを自分のことのように感じて考えるため、より良い提案をすることが可能です。
理想の看護ができるような職場を選んでみてくださいね。
些細なことに気づく
些細なことに気づき、周囲のちょっとした変化に敏感で、予測も得意なため、危機管理能力が高いことが、医療の現場でとても役に立ちます。
慎重な判断ができる
たくさんの情報を組み合わせて、高度に処理することができます。
そのため、深く考えて慎重に物事を判断することができます。
素早い判断を求められる場面もありますが、じっくり深く丁寧に患者さんに関われるような業務で能力を発揮することができます。
相談しやすい
話しかけやすい雰囲気を持っていると、患者さん側も言いたいことを言いやすくなります。
気配りが上手
相手への気配りが上手なHSPだからこそ、同僚や患者さんの立場になって物事を考えることができます。
気配りが上手だと、場の雰囲気も和みますし、感謝してもらえることも多いです。
教育に向いてる
新人の時に言われて嫌だったことを覚えていて、人には同じことをしたくない、そういう気持ちになれるからこそ教育に向いています。
また、同じ性格の優しい看護師を上手く伸ばすことができます。
優しい看護師に向いている仕事の特徴
優しい看護師には忙しく、ピリピリした雰囲気の職場は合わないことが多いです。
心身ともに健康であることで、より良い看護ができます。
人それぞれ向き不向きがあるので、自分に合った職場を見つけましょう。
医療行為が少ない職場
医療行為が多いと常に気を張っていなければならなかったり、ミスしないか不安になったりして精神的な消耗が激しいです。
コミュニケーションが中心の環境を選ぶと実力を発揮しやすいです。
重症度が低い
重症度が低いとピリピリする機会が減るため、感受性の高い看護師におすすめです。
夜勤がない職場
生まれつき心が繊細なHSPの傾向があると、刺激に対して過敏なため、人一倍疲れやすいです。
夜勤があると大きく身体に負担がかかるため、夜勤がない職場がおすすめです。
残業がない・休みが多い職場
「夜勤がない」にも関連しますが、十分に休む時間が取れるように残業がないか少ない病院、あるいは有給休暇を取りやすい病院を選ぶと、疲れにくくミスも減らすことができます。
優しい看護師に向いてる職場・働き方
優しい看護師は、「①バタバタしない、②プレッシャーが少ない、③休みが取りやすい」働き方をすると、自分らしい理想の看護がしやすくなるでしょう。
回復期リハビリテーション病院
長期的なリハビリが必要な患者さんが入院します。
回復期リハビリテーション病院は入院期間が長いため、入退院の手続きも少なくて済みます。
同じ患者さんだと覚えてしまえば楽ですよね。
慢性期(療養型)病院
慢性期(療養型)だとその場に応じて行う医療行為が少なく、落ち着いてできて、急変も少ないため精神的な消耗が少なくて済みます。
また、入院期間の制限がないため、回復期リハビリテーション病院よりも1人の患者さんの入院期間が長くなっています。
クリニック
土日が休みで夜勤なし。基本は予約が必要なので、バタバタしません。
ただし、小さすぎるクリニックだと看護師の数が少なく、体調が悪くても変わってもらいにくいというデメリットがあります。
完全予約制
完全予約制だと、急に患者が来ることがないため、残業が発生する可能性がかなり低く、バタバタしません。
美容クリニックなど自費診療だと完全予約制が多いです。


高齢者施設
高齢者施設は医療行為が少ないため、比較的楽であることが多いです。
- 特養、老健
- 有料老人ホーム
- 介護施設
- デイサービス・デイケア
訪問看護師
訪問看護師は、利用者の自宅で看護をします。
優しい看護師なら寄り添った看護ができます。
企業の医務室(産業看護師・企業看護師)
産業看護師(企業看護師)は、企業の医務室で社員の健康管理をする看護師です。
気遣いが得意な人なら、メンタルヘルスに関わる悩みを抱えている社員さんの味方になることができます。
保育園など学校の医務室看護師
いわゆる保健室の先生で、保育園から大学まであります。
幼ければ幼いほど転んで怪我をすることが多いので忙しくなりますが、子供好きにはおすすめです。
健診センター・献血ルーム
健康診断をする看護師です。
健康な人に決まった医療行為(採血など)をするだけなので、考えることが少なくて楽です。
淡々と作業するのが得意な人や、採血が得意な人にもおすすめです。
まずは派遣や単発でチャレンジしてみるのもおすすめです。
▶︎レア求人あり
▶︎プライベートが充実
▶︎転職のつなぎにもおすすめ
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優しい看護師が自分に合った職場を選ぶためには?
優しい人は、その優しさを活かせる職場で働くのがおすすめです。
今の辛さから抜け出したい場合は、同じ病院内での移動、休職、転職なども検討してみましょう。
病棟を異動する
病棟を異動すると、忙しさ、人間関係、看護師の性格も変わります。
異動できそうなら検討してみてください。
意地悪な看護師がどうしても嫌な場合、同じ病院だと顔を合わせる機会もあるため転職をおすすめします。
休職・退職して少し休む
どうしても精神的・体力的にもう限界という状態なら休職や退職して少し休むことも検討してみてください。
休職というレベルでなくても、1週間くらい休んでみてはいかがでしょうか。
自分がいないと回らないと思っている人もいるかもしれませんが、いつでも急病人が出る可能性があるなかで、1人いないと回らない状態に置いているのは医療機関側が悪いので、気にしなくていいです。
少し休んでみて冷静になると、本当に自分のやりたいことが見えてくるかもしれないですよ。
転職する
転職することで問題が解決することはよくあります。
特に看護師の仕事内容は職場によって全然違います。
どうせなら楽しく働けた方がいいですよね。
業務の内容が自分に合っていたり、人間関係が改善すれば、毎日辞めたいと思うこともなくなります。
転職を検討するなら、ぜひ転職サイトで無料相談してみてください。
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