HSP(Highly Sensitive Person)は、生まれつき感受性が非常に高く、外部からの刺激を深く受け止めやすい特性を持つ人を指します。
この特性を持つ方の中には、看護師という職業に就くことに対して「向いていないのではないか」と悩む方も少なくありません。しかし、HSPの特性を理解し、適切な対策を講じることで、看護師として活躍する道は十分にあります。
HSPの看護師は工夫と環境が大切です。
まず自分はなぜ辛いのかを知って、そのストレスに対して工夫していきましょう。

HSPが看護師に「向いてない」と感じる理由
HSPの看護師が「向いていない」と感じやすい主な理由は以下です。
刺激過多な環境での勤務
病院は常に医療機器のアラーム音、スタッフの往来、患者さんの声など、多くの音や情報で溢れています。
HSPの特性である「Overstimulation(刺激に敏感)」により、音や匂いの刺激が心身の大きな負担となり、疲労が蓄積しやすい環境です。
突然の音にびっくりしてしまうことがあるかと思いますが、この頻度が多すぎると、知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまいます。
感情移入による精神的疲労
HSPの人は共感力が高く、患者さんの痛みや不安、悲しみといった感情に深く寄り添い、感情移入しやすい傾向があります。
これが精神的な疲労につながり、「心が疲れる」と感じやすくなります。
人間関係のストレス
看護現場は女性が多く、指導や患者さん・ご家族への対応、医師との連携、後輩の育成など、多岐にわたる人間関係が存在します。
周囲の微妙な空気感に敏感で気を遣いすぎるHSPにとって、これらの人間関係は大きなストレス源となります。
不規則な勤務体系
夜勤を含む不規則な勤務体系は、生活リズムを乱しやすく、環境の変化に敏感なHSPの心身に大きな影響を与えます。
自分の時間を確保しにくいことも、ストレスを増大させる要因となります。
完璧主義による燃え尽き
HSPの人は完璧主義的な傾向を持つことがあり、責任感の重い看護師という職業と相まって、常に完璧を目指そうとすることで過度なプレッシャーを感じやすくなります。
これが「燃え尽き症候群」を引き起こす原因となることがあります。
HSPの看護師が楽になる!6つの解決法
HSPの特性と向き合いながら、看護師として長く働き続けるための解決策を6つご紹介します。
働き方を見直す
夜勤の回数を調整したり、パートタイム勤務への切り替えを検討するなど、自分に合った働き方を見つけることが重要です。残業が少ない職場を選ぶことも有効です。
心身の健康管理を徹底する
意識的に休憩時間を取る、質の良い睡眠を確保する、休日には仕事から離れてリフレッシュするなど、心身の健康を保つための工夫が不可欠です。
感情や思考を紙に書き出すことで、ストレスを整理するのも良い方法です。
ストレスの原因となる人との距離を取る
職場内でストレスの原因となる人間関係がある場合、可能な範囲で距離を置くことも大切です。
すべての人間関係に深く関わる必要はありません。
信頼できる相談相手を見つける
職場の同僚や友人、家族など、自分の気持ちを打ち明けられる信頼できる人を見つけ、適度に相談することで、心の負担を軽減できます。
自分の強みを知り、自分軸を持つ
自己分析を通じて自分の強みを理解しましょう。
HSPは気を遣いすぎて他人軸になりがちですが、自分自身の価値観や信念を大切にする「自分軸」を持つことで、他者の意見に振り回されずにいられます。
HSP特性を活かせる職場を選択肢に入れる
HSPの共感力の高さやきめ細やかさは、看護師として大きな強みになります。
刺激が比較的少ない療養型病院やリハビリ病院、デイサービス、患者さんと深く関われる緩和ケア病棟など、HSPの特性を活かしやすい職場を選ぶことも検討しましょう。
また、病院以外の看護師の資格を活かせる場所(企業、学校、介護施設など)も選択肢に入れることで、将来の可能性が広がります。
HSPの特性は、決して看護師に向いていないということを意味しません。
自身の特性を理解し、適切な対策や働き方を実践することで、HSPの看護師として充実したキャリアを築くことが可能です。



