「繊細すぎる」と感じるHSPの看護師さんにとって、働く環境はとても大切です。刺激の多い急性期病棟や総合病院では、心が疲れ果ててしまうこともあるかもしれません。
しかし、精神科看護は、そのHSPの特性が強みとなる「天職」になりうる可能性を秘めています。
「HSPの人」と言っても得意分野と苦手分野がそれぞれ異なり、精神科に合う人もいれば合わない人もいます。
この記事では、HSP看護師が精神科で働くことの『適性を見極める』ポイントと、後悔しない働き方について詳しく解説します。
HSPの特性が精神科看護で活かせる理由
HSP(Highly Sensitive Person)の特性を持つ人は、他者の感情に深く共感し、細やかな変化にも気づくことができるなど、高い感受性を持っています。
これは、精神科看護において患者さんの心の動きを察し、寄り添ったケアを提供する上で非常に大きな強みとなります。
精神科では、患者さんの言葉にならないサインを読み取ったり、安心できる関係性を築いたりすることが重要です。
HSPの看護師さんは、この繊細な感受性によって、患者さんの本当の苦しみやニーズを理解し、深い信頼関係を築きやすいと言えるでしょう。
精神科に向いてる人(精神科で働くメリット)
精神科看護は、以下のような特性を持つHSP看護師さんにとって、大きなやりがいとメリットをもたらす可能性があります。
深い共感力を持つ人
精神科では、患者さんの感情や立場に深く共感できることが重要です。
HSPの持つ高い共感性は、患者さんの心の痛みに寄り添い、安心感を与える上で非常に役立ちます。
コミュニケーション能力が高い人
精神科の患者さんとは、言葉だけでなく、非言語的なコミュニケーションも重要になることがあります。
HSPの持つ感受性は、言葉の裏にある感情や意図を察知し、より深いレベルでの意思疎通を可能にします。
忍耐強い人
患者さんの回復には時間がかかることが多く、時には進展が見られないこともあります。
HSPの繊細さは、患者さんの小さな変化にも気づき、忍耐強く関わることで、長期的な回復を支えることができます。
創造的な問題解決能力を持つ人
患者さん一人ひとりの状況は異なり、マニュアル通りにならず、型にはまらないアプローチが求められることが多いです。
HSPの多様な視点は、個別の状況に応じた柔軟なケアプランを考案するのに役立ちます。
心があたたかい人
他者の心の奥深くにある痛みや不安に寄り添える心の温かさは、精神科訪問看護を含む精神科全般の仕事に向いています。
これらの特性は、患者さんとじっくり向き合い、その人らしい回復をサポートする精神科看護の醍醐味を存分に味わうことにつながるでしょう。
精神科に向いてない人(精神科で働くデメリット)
一方で、精神科看護には、HSPの特性がデメリットとなりうる側面もあります。
一般科に比べて精神的ストレスが大きい場合も
精神疾患の症状により、幻覚や妄想の対象になり、暴言を言われることもあり、精神的に落ち込むことも多々あります。
患者さんの症状や職場を見極めることが大切です。
感受性の強さ活かすためには比較的落ち着いていて、1人の患者さんにじっくり関わる職場がよいでしょう。
注射や検査介助などの看護技術の向上が難しい
一般科と比較して採血や点滴を始め、検査介助などを行う場面が少なく、身体的な看護技術の向上が難しいと感じることがあります。
技術面での成長を重視するHSP看護師さんにとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
看護技術がマニュアル通りにいかないことが多い
精神科では基礎的な看護技術のマニュアルはありますが、精神疾患の患者さんへの看護に関しては個別性が強く、マニュアル通りにいかないことが多々あります。
変化がある方が苦手な人は、予期せぬ状況やイレギュラーな対応が多いことに、ストレスを感じる可能性があります。
患者さんの痛みに敏感に反応しすぎる
患者さんの苦痛や感情を強く感じ取りすぎてしまい、共感疲労に陥る可能性があります。
自分の心を守るための境界線が必要になります。
後悔しない働き方を見つけるポイント
HSP看護師さんが精神科で後悔なく働くためには、以下のポイントを意識しましょう。
自己理解を深める
自身のHSPの特性を理解し、どのような状況でストレスを感じやすいのか、何を強みとして活かせるのかを明確にすることが重要です。
職場の環境を見極める
人間関係や職場の雰囲気、残業時間、患者さんの重症度など、実際に働く環境を事前にリサーチしましょう。
可能であれば、見学を通して、実際の雰囲気を肌で感じることが大切です。
事前に離職率や人間関係など、「職場の内部情報」を教えてくれる転職サイトを活用するのもおすすめです。
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サポート体制の確認
メンタルヘルスサポートや相談窓口、チームでの協力体制が整っているかを確認しましょう。
困った時に一人で抱え込まずに相談できる環境は、HSP看護師にとって非常に重要です。
オンオフの切り替えができる環境を意識する
仕事とプライベートの切り替えを意識し、心身を休める時間を作ることが大切です。
趣味やリラックスできる時間を持つことで、ストレスを軽減し、継続して働くことができます。
休憩時間がきちんと取れて、残業が少なく、プライベートの時間が取れる働き方ができるような環境を探しましょう。
適切な職場を選ぶ
精神科の中でも、急性期病棟、回復期病棟、訪問看護など、さまざまな職場があります。
自身のペースや特性に合った職場を選ぶことで、よりストレスなく働くことができるでしょう。
HSPさんは、じっくり患者さんと関わることができる回復期や訪問看護が向いている人が多いようです。
HSPの特性を持つ看護師さんが、自身の繊細さを強みとして活かし、精神科でやりがいのある看護を実践できることを願っています。ご自身の特性を理解し、心穏やかに働ける職場を見つけてくださいね。

