「私、HSPかも？」と感じている看護師さんの中には、「今の働き方が合わない」「もっと自分らしく働きたい」と悩んでいる方もいるかもしれません。
「クリニックなら合っているのではないか」とクリニックへの転職を考えているHSP看護師さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、HSP気質の看護師さんがクリニックで働くことのメリットとデメリットを詳しく解説します。
HSP看護師がクリニックで働くメリット
HSPの特性を活かし、自分らしく働ける可能性を秘めているのがクリニック勤務です。
まずは、HSP看護師がクリニックで働くメリットになる点についてご紹介します。
1. 患者さん一人ひとりと深く向き合える
大規模な病院と比べて、クリニックは一日の患者数が限られていることが多く、患者さんとのコミュニケーションに時間をかけやすい傾向があります。
HSPの看護師さんは、人の気持ちを深く察する共感力の高さが強み。患者さんの話をじっくり聞き、寄り添った看護を提供できるため、やりがいを感じやすいでしょう。流れ作業のように感じる業務が少なく、丁寧な看護を実践できます。
2. 落ち着いた環境で働けることが多い
病院の救急外来や病棟のように、緊急性の高い対応に追われたり、常にバタバタと忙しい環境は、HSPの看護師さんには大きなストレスになりがちです。
一方でクリニックは、予約制を導入しているところも多く、比較的落ち着いたペースで業務を進められます。突発的な事態が少なく、自分のペースを守って働けるため、心身の負担を軽減できます。
3. 急変や命に関わる業務の機会が少なくなる
共感力が高く、感情移入しがちなHSP気質の人は、高ストレスな環境を避けて、精神的な負担を軽減できる職場を選ぶことが、長く働き続ける上で非常に重要です。
心が疲弊しすぎてしまう人は、機会を減らすだけでも落ち着いて業務に取り組めるようになるでしょう。
4. 複雑な人間関係が少ない傾向にある
クリニックは病院に比べてスタッフの人数が少ないため、人間関係がシンプルな傾向にあります。大規模な組織でありがちな派閥争いや複雑な上下関係に悩まされることが少なく、少人数のチームで協力しながら働くことができます。
HSPの看護師さんにとって、良好な人間関係は働く上で非常に重要なので、ストレスを抱えにくい環境と言えるでしょう。
5. 専門性を深めやすい環境もある
特定の診療科に特化したクリニックでは、その分野の専門的な知識やスキルを深めることができます。
例えば、皮膚科クリニックなら皮膚疾患の専門知識、美容クリニックなら美容医療に関する専門スキルなど、特定の分野に集中して学ぶことで、専門職としての自信を育むことにもつながります。
HSP看護師がクリニックで働くデメリット
メリットがある一方で、クリニック勤務にはHSPの看護師さんにとって注意すべき点もあります。
1. 業務範囲が多岐にわたる可能性がある
クリニックはスタッフが少ない分、看護業務だけでなく、受付業務、会計、清掃、滅菌作業など、幅広い業務を兼任することがあります。一つの業務に集中したいHSPの看護師さんにとっては、慣れるまで負担に感じるかもしれません。また、急な来患への対応など、臨機応変な対応力が求められる場面もあります。
2. 閉鎖的な人間関係になるリスクも
スタッフ数が少ないことはメリットにもなりますが、逆に人間関係が閉鎖的になりやすいという側面も持ち合わせています。もし人間関係に問題が生じた場合、逃げ場が少なく、精神的な負担が大きくなる可能性があります。少人数だからこそ、スタッフ間の相性が働く上で非常に重要になります。
3. 診療時間帯が不規則になることも
クリニックによっては、午前診療と午後診療の間に休憩時間が長く設けられていたり、夜遅くまで診療している場合があります。また、土曜日の午後や日曜日も開院しているクリニックもあります。そのため、勤務時間や休日が不規則になり、生活リズムを整えるのが難しいと感じるHSP看護師さんもいるかもしれません。
4. 給与水準が病院より低い場合がある
一般的に、クリニックの給与水準は病院に比べてやや低めである傾向があります。夜勤手当がないことや、ボーナスが病院ほど高くないことが影響しています。給与面を重視するHSP看護師さんにとっては、デメリットに感じるかもしれません。
5. 診療内容によってはプレッシャーになることも
クリニックといっても規模や診療の内容は様々です。
診察の介助がメインのクリニックから検査や手術の介助が必要なクリニックもあります。
失敗が許されない業務が多いとプレッシャーを感じやすくなってしまう方も多いのではないでしょうか。
また、病床があるクリニックは夜勤があるため、不規則な生活が合わない方は避けたいですね。
HSP看護師がクリニックを選ぶ際のポイント
上記の点を踏まえて、クリニック勤務を検討するHSP看護師さんは、以下のポイントを参考に職場を探してみましょう。
- 職場の雰囲気や人間関係: 可能であれば、事前に職場見学をさせてもらい、スタッフの様子や院内の雰囲気を自分の目で確認しましょう。
- 業務内容の確認: 看護業務以外にどのような業務があるのか、面接時などに具体的に確認しておくと安心です。
- 休憩時間や残業の有無: 勤務時間内にきちんと休憩が取れるか、残業はどれくらいあるのかなども重要です。
- 院長の考え方: 院長の患者さんやスタッフに対する考え方、クリニックの理念が、あなたの価値観と合うかどうかも大切です。
また、看護師の人数が多いか少ないかも相性を見極める上で大切です。クリニックの規模によって看護師の数は様々で、1人体制のところもあれば、複数人いるところもあります。
看護師が1人体制のメリットとデメリット
- 看護師1人のメリット：人間関係が気にならず、もくもくと作業できます。
- 看護師1人のデメリット：相談できる人がいないため自分で判断することが増え、役割分担できず、休みが取りにくい傾向にあります。
看護師複数人のメリットとデメリット
- 看護師複数人のメリット：役割分担でき、休みが取りやすく、プレッシャーが少なめです。
- 看護師複数人のデメリット：コミュニケーションが必要なため、ストレスに感じる人もいるでしょう。
HSS型HSPならルーティンワークは避けた方がいいかも
HSPの中でもHSS型で刺激を求めるタイプの繊細さんは、ルーティンワークが苦手な傾向にあります。
例えば健診は、健康な人が対象なので精神的には楽ですが、単純作業が多めです。
まとめ
HSPの看護師さんがクリニックで働くことは、患者さんと深く向き合えるやりがいや、落ち着いた環境で働けるメリットがある一方で、業務の幅広さや閉鎖的な人間関係のリスクも考慮する必要があります。
ご自身のHSP気質がどのような影響を与えるのかを理解し、それに合った職場選びをすることで、看護師としてのキャリアをより充実させられるでしょう。
